あの年に生まれた「こどものとも」

1988年 くま先生の治療法はちょっとふしぎで効果ばつぐん!『ぼく びょうきじゃないよ』

ぼくびょうきじゃないよ

1988年度には、「魔女の宅急便」シリーズで知られる角野栄子さんが文章を手掛けた、『ぼく びょうきじゃないよ』(2月号)が刊行されました。

明日は親戚のお兄ちゃんと釣りに行く日。ケンは明日をとても楽しみにしているのに、夕ごはんの後に ごほん と咳が出て、熱も出て、おまけに胸もひゅーひゅーいいはじめました。どうしても釣りに行きたくて、ベッドのなかでぷーぷー怒っていたケンですが、とんとん という音に気付いてドアをあけてみると、なんとそこに立っていたのは白衣を着た大きな大きなくまのお医者さんでした。

びっくりして思わず ごほん と咳が出てしまったケン。はじめは強がって「びょうきなんかじゃないよ」と言いますが、ごろごろざかのくまくんのところに往診に行くというくま先生の話を聞き、思いきって「ぼくもみてください」と頼みます。ケンはくま先生に、愉快な「くま式うがい」、おでこをぺろんぺろんなめて熱を下げる「くま式ねつさまし」、冬眠中のくまのような「くま式ねんね」など、ちょっとふしぎな治療をしてもらい、翌朝にはすっかり元気になっていたのでした。

ぼくびょうきじゃないよ見開き

角野さんはこの作品に、「とりこし苦労は、お話の種になってくれる」との言葉を寄せています。というのも、アイロンのコンセントを抜いて家を出たか気になった角野さんは、大丈夫だと言う娘さんに「コードがさ、ひとりでににょろにょろ動いてさ、コンセントに入っちゃったらどうする、ねぇ」とたたみかけ、「童話作家もいいかげんにしてよね」と冷静に返されたのだとか。こんな想像力があったからこそ、くま先生の「スーパー・パワー」が病気を治す、『ぼく びょうきじゃないよ』が生まれたのかもしれませんね。

このファンタジックなお話を、温かいタッチで描き出したのは垂石眞子さん。角野さんとタッグを組んだのは、『ぼくしごとにいくんだ』(1987年2月号)、『ぼくのたからものどこですか』(1988年1月号)に続く3作目です。

1988年3冊

1988年には他にも、さとうわきこさんによる「ばばばあちゃん」シリーズ3作目の『たいへんなひるね』(4月号)、菊池日出夫さんの「のらっこ」シリーズ4作目の『ゆきあそび』(1月号)、そして長谷川摂子さんと降矢ななさんが手がけた『きょだいな きょだいな』(5月号)などが刊行されています。

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