あの年に生まれた「こどものとも」

1984年 元気とユーモアがたっぷりのばばばあちゃん登場! 『あめふり』

1984_01絵本作家さとうわきこさんの代表作、ばばばあちゃんシリーズが月刊絵本「こどものとも」にはじめて登場したのは、1984年に刊行された『あめふり』です。 ※1
ずっと雨が降り続き、ばばばあちゃんたちは外に遊びに出たくて困っています。そこで、雲の上に向かって、ときどきは休んでくれるように頼みますが、雨は休むどころか、前よりもっとひどく降ってきました。ばばばあちゃんはカンカンに怒って、脇目もふらずにストーブで薪やがらくたを燃やしだしました。そこにこしょうを大量にふりかけて、とうがらしの束も放り込みます。すると……煙突から辛い辛いけむりが出て、空一面に広がり、かみなりさまたちがくしゃみをし始めました。1984_02
あんまりくしゃみをしたので、雲がちぎれて、かみなりさまたちが雲と一緒に落ちてきて、空はすっきり青空! それからしばらく雲を元通りにする作業に何日もかかりました。
汚れた雲を洗濯して干す作業を手伝っているのは、あの「せんたくかあちゃん」です。洗濯が大好きで、ねこも、いぬも、ソーセージも(!)洗って干してしまうパワフルなかあちゃんのお話もさとうさんの代表作。「せんたくかあちゃん」のお話を知っている読者にはうれしい、さとうさんの遊び心です。 ※21984_03

自由で柔軟な発想と、それを行動にうつすパワーを兼ねそなえたばばばあちゃん。そのたくましさは、経験によるものが大きいだろうとさとうさんは言います。それは、個人としての経験だけではなく、昔ながらの生活を守り、土地に受け継がれているものからも生まれてくると。そして、そのたくましさとともに、ばばばあちゃんが持っているのは心の隙間だそうです。心の隙間を持っていることで、苦しい場面で余裕が持てたり、子どもたちが自然と寄ってくるのではないかと考えています。さとうさんにとっても、パワフルなばばばあちゃんは、こうなれたらという1つのあこがれでもあるそうです。1984_04

1984年は他にも、菊池日出夫さんによる「のらっこ」シリーズ『さんねんごい』や、タイガー立石さんの『とらのゆめ』、のちに日本傑作絵本シリーズとして単行本化されるスズキコージさんの『ガラスめだまときんのつののヤギ』などが刊行されました。

※1 ばばばあちゃんシリーズの第1作『いそがしいよる』は、月刊絵本「こどものとも」の姉妹誌「こどものとも年中向き」の9月号として1981年に刊行されました。その後、現在までに同シリーズは、10作刊行されています。
※2 『せんたくかあちゃん』月刊絵本「こどものとも」1978年8月号

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